風俗の研修の巻【その18】

マキです、こんばんは!
最近またもや更新が鈍っていてごめんなさいm(_ _)m

珍しく色々重なり、バタバタしていまして…。

こんな気ままなブログなのに、コメントを下さる方が居て、本当に私は
幸せものです…。(泣)

読んで下さって、本当にありがとう!

では、【その17】の続きからです♪

紫の花

長かった研修に終わりが見えてきた頃……

『もうちょっとで終わるからね』
という浅田さんの言葉に、ルンルンしながら浴室を出ながらハッとした。

(「研修」がもうちょっとで終わるだけで、研修が終わると言う事は、その後はお客さんの相手を実際にするって事じゃないか!(^ ^;))

それを考えると、急激にまた緊張が戻ってきた。

心なしか、胃の辺りまでキリキリ痛くなるような…(笑)

 

浴室を出て体を拭きながら、浅田さんが聞いてくる。

『…どうしたの?』

『いや…。「研修」がいよいよ終わりだあー!って一瞬テンション上がったんだけど、そしたら今度はお客さんの相手をしないと駄目なんだなぁと思うと、胃が痛くなってきました(笑)』

正直に答えてみる。

 

浅田さんは、『なるほど(笑)』と頷くと、まだ体を拭いている私を置いて、腰にタオルを巻きながらベッドに腰掛けると優しい口調で、

『ちょっと10分くらい休憩入れようか』

と言ってくれた。

『ハイ、ありがとうございます』

その気遣いが嬉しくて、体を拭き終わるとタオルを体に巻きながら、浅田さんの隣に私もちょこんと座る。

 

『…あ、マキちゃんはタバコの煙、大丈夫?』

『あ、私は吸わないんですけど、大丈夫です♪』

『じゃあ』

と言うと、浅田さんはテーブルから灰皿を自分の方に少し寄せて、ハンガーに掛けていたシャツの胸ポケットからタバコを取り出した。

ウソ。本当は私はタバコの煙は苦手。
でも、昔から結構人に気を遣う癖がある。

何も聞かずにバンバン、タバコを目の前で吸われたら流石にちょっとイラッと来るかもしれないけど、
『大丈夫?』
って聞かれるのに、弱い。

小さい時から、ここには書かないけれど色々あって、人の顔色を伺う事が多かった子供だった。

そのせいか、自分が人に気を遣うのは本当に苦にならないし、むしろ好きなんだけれど、人に気を遣われることにあまり慣れていない。

だから、ちょっと優しい言葉をかけてもらったり、こんな風に気を遣って貰えるのが、いちいち嬉しい。
だから、よっぽど嫌だったりしない限り、
「大丈夫?」と聞いてくれた人に「タバコの煙はちょっと…」とは言えないし、言いたくなかった。

 

なんだろう…。

 

人が、私と一緒に居る事を「心地良い」と思ってくれれば、私はそれが嬉しい、みたいな感じ。

(だからこそ、今日もこんな所で、こんな仕事をしようとしているのかもしれない…)
とぼんやり、思う。

 

自分を偽ってまで人に認められたい、とかそこまでの自己犠牲精神はないんだけれど、でも、少しのサービス精神で、「人に喜んで貰えること」が、嬉しい。
それが私

「あともうちょっとしたら、実際に「風俗嬢」としてお客さんの接客をする」

そんな現実の事を考えると、なんだかちょっと真面目なテンションに入ってしまった。

浅田さんの手の中にある小さな白い棒の先から出る煙をボンヤリと見つめながら、私の中を色々な想いがぐるぐるする。

 

そんな私をチロリと横目で見ながら、灰皿にトントン、と灰を落としながら浅田さんがゆっくりと話す。

『…僕はね、「風俗嬢」って素晴らしい仕事だと思ってるんだよ。やっぱり世間的にはある意味“体を売る仕事”って認識があるせいで、変な目で見られやすいけれど、すごいよ』

『……。』

黙ってじっと聞く。

『短い時間で、お客さんが他のところで発散できない“欲”を受け止めて、解消してあげないといけない。しかもヘルスとかソープは、長時間になるし、会話が欠かせない訳だから、人と人とのコミュニケーション力も要るからね』

『…そうですよね…』

『そう』
浅田さんが、私に気を遣って、私の居ない方向に向かってフーッと煙を吐く。

『最初は何をやるにしても絶対に緊張するけれど、特にこんな特殊な業界に入ってくる場合、余計に緊張するよね』

『…ハイ…』
こくり、と頷きながら答える。

『…うん。でも、どんな経験からでも、絶対何か学ぶものってあるから。例えば、今日ちょっと体験でやってみて、合わないとか無理って思ったら、今日で辞めたらいい』

『…ハイ』

『でも、もしそうなったとしても、今後マキちゃんの中で、“あんな事しなきゃよかった”とは思わないで欲しいな。“私には出来なかったけど、貴重な体験をした”って前向きに捉えて欲しい。』

『…ハイ』

『うん…』

浅田さんは、半分くらい残っているタバコをくしゃっと灰皿に押し付けて火を消す。

『でも、僕はマキちゃん、向いてると思うよ。ちゃんとコミュニケーションも上手く取れるし、お客さんにちゃんと気も使えるコだと思うから』

『…ありがとうございます』

『うん。色々と大変な事もあるかもしれないけど、ここで得たものは必ず“経験”になるし、それに、その分のお給料も入るから…。』

『そうですね』

『だから、もうちょっとだけ頑張ってみて、それから、マキちゃん自身で続けるか辞めるか判断してみたらいいよ』

『…わかりました…浅田さん、ありがとうございます』

こんなに優しい言葉を掛けてもらえて、本当に嬉しかった。

 

よし、「研修」を最後まで終わらせて、一人だけ、お客さんの相手をしてみよう。
それから、判断しよう。

 

『ありがとうございます、もう大丈夫です。続きの研修、お願いします』

ニッコリ笑って浅田さんにそう言えた自分が居た。

続きます♪

2件のコメント

  • セシル

    浅田さんに惚れましたwww
    面白くて読むのが止まりません!

  • きな

    涙が出た。

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